とある事件

風邪を引いて正月三ヶ日をほとんど寝て過ごした。
目を覚ますと部屋はカーテン越しに朝日が入り込んでいる。
私はボンヤリとベットから上半身を起こした。
うっすらと汗をかいている自分に気がついた。
熱はない。
が、体はどこか怠さを感じる。
鼻声のようだ。
鼻が詰まっているのか。


私はベットから出てカーテンを開けた。
朝日が思いっきり目に飛び込んで来た。


窓越しに見えるいつもの景色は何も変わりばえはしない。
雲一つない空がやけに印象的に映った。

その時だ。

お腹がなった。



私はキッチンへと向かう。
食べるものを漁っていたが何も見当たらない。
風邪で体調が良くない私の口に合うものはなにか?
見ればお餅があるではないか。


そこでお餅を焼く事にした。

事件はそこで起きた。
そう事件は現場で起こったんだ。
「ちょっといいですか?」と人差し指を立てて容疑者に詰め寄る刑事もいない。

これは?

見ればオーブントースターから白い煙が上がっている。
ライオンは我が子を鍛えるために崖の上から落とすらしい。


あらかじめお餅には醤油を塗り付けて焼いた。
きっとその煙だろう。


白い皿を中に入れて、その上にお餅を乗せた。
餅がつかずに焼けるらしい。
尾張名古屋は城で持つ。

が、その皿はプラスティク。
電子レンジ用の皿だ。




私はその日は風邪でボーとしていた。


白い煙はその皿が焼けた煙だった。
部屋は焦げた匂いで充満している。

これは事件だ。
ジッちゃんの名にかけて?


オーブントースターはつい一ヶ月ほどの前に購入した新品。

台無しにしてしまった事は言うまでもない。