みかんの日々

今までに戯曲を5本書いて上演した。
最初は1990年に「友よ踊れ!」という二人芝居だ。
忘れもしない自分たちで旗上げた劇団の公演だった。
当時読んでいた「3人のイカれた男たち」というアメリカ作品の本に触発されて書いた。
ストーリーは病院を脱そうした男二人が騒動に「巻き込まれる」話だ。タイトルには男二人で立ち上げた劇団で最初の作品だし、勝手だったが自分たちを「友だち=仲間」と思って、僕たちの舞台にエールを贈ってほしいのと登場人物たちを自分たちに重ねたタイトルにした。
今、思えば稚拙な台本で演出だった。
(演出も僕でした)


二本目は1991年に書いて上演した「ダンスは何処で〜怪盗303号を捕まえろ〜」という芝居でした。
これは当時、外部公演で一緒に共演をさせてもらった女優さんと意気投合して「次の僕たちの芝居に出て下さい!」とお願いをして書き上げた作品だった。
ストーリーは「女鼠小僧」と言われる盗人を捕まえる3人の所轄が違う刑事たちの荒唐無稽なお話しにした。
なにせこの3人の刑事が「女鼠小僧」を捕まえるために、この女鼠小僧の仲間になるという話だ。
今、思えば無茶苦茶だし、やはり稚拙な台本だった。
この女優さんには申し訳ない舞台になったと思う。


そして三作目に書いた台本が「ミカンの日々」だった。
この台本だけが上演していない。
書き上げた段階で劇団の活動を止めてしまったからだ。
ストーリーは売れない漫才師の情けない話だった。
やはり二人芝居だったので、一人何役もこなして上演する予定だった。タイトルは「蜜柑」と「未完」をかけた。
なにせ登場人物の二人の漫才師は結局は売れずに解散するからだ。今にして思えば、その時に作った劇団も同じ道を辿る事になった。
が、その経験があればこそ、、、今があるのだろう。
少なくともまだこの世界にいるわけだからそう思いたい。



色々と「思い」とは積もるモノだ・・・。