クラシック

先日クラシックコンクールのスタッフの仕事をしてきた。
このコンクールは10年間で17回の会を重ねてきた。
僕は何と1回目からスタッフとして働いている。
1回目はステージマネージャーとしてだった。
それが会を重ねるうちに影アナもやらされ、
いつしか司会進行までやらされている(苦笑)

この間のコンクールではとうとう全部やらされた(笑)
朝9時に入りピアノを出す仕込みを行い。
参加者のリハーサルを仕切り、
本番前に15分前と5分前の影アナを入れ、
準備が整ったら本ベルのQを出し、
主催者の女史と共に舞台に出ていく。
司会の後、出演者の紹介をして袖に引っ込み、
演奏が終われば転換に舞台に出ていく。
譜面台を置き、ピアノの天板を閉めて袖に戻り
次の出演者の案内を影アナで云い、Goサインを出す。
演奏中に次の出演者を呼び出しに行く。
演奏が終われば拍手で迎え、
転換の為に舞台に出ていく。
譜面台を下げ、ピアノの天板を開けて袖に戻り、
次の曲紹介を影アナで入れGoサインを出す。
休憩前にまた舞台に出ていきお客様に案内をする。
休憩中に表彰式の為に椅子を並べ、センターマイクを置く。
表彰式が始まれば、また舞台に出ていき表彰式を仕切る。
書き出せば仕事はキリがない。

 年に2回あるのだが、、、憂鬱になる(笑)

コンクールと云っても大中小様々な形がある。
このコンクールも最初は大勢いた。
しかし今では参加者も減り毎回4~5人程度になった。
一地方の小さなコンクールだ。
それでも音楽家を育てたいと言う主催者の気持ち一つで
10年も続けられてきた。
このコンサートが東京でも名が知られていることがわかった。それも一風変わっているからだ。
それは、演奏が終わったら演奏者が舞台に出て来て、
アドバイザーと云われる先生方から批評や指導を受けるのだ。それもお客様の前で。
言うなればお客様の前でダメ出しを食らうのだ。
ダメ出しの内容も音楽だけに留まらない。
中には「やれ立ち姿が悪い」「お辞儀が浅い」
「歩き方が汚い」など見た目も云われる。
先日のアドバイスにはとうとうお客様の前で
「顔が暗い!」と云われた人がいた。
「顔が暗いと音楽まで暗く聴こえる」と。
もはや何かが間違っているかもしれない(笑)
これを含めて「名物」となっているのが
アドバイスタイムと云われる時間だ。
話に聞くとヨーロッパでは当たり前らしいのだが、
日本では馴染まないかもしれない。
だから密かに「公開処刑」と陰口を言われているらしい。


 そのコンクールに東京から乗り込んできたヴァイオリニストがいた。東京で話に聞いて参加してきたらしい。
どうも以前にこのコンクールに参加した人が
「名古屋に面白いコンクールがある」と喋ったみたい。
さて実績も実力もある彼女。
当然の如く(?)アドバイザーの先生たちは絶賛。
前出の先生は「歩き方が美しい!」とべた褒め。
演奏は「言うことなし!」「才能バッチリ!」
結局、当コンクールの3つある全てのタイトルを総なめしてしまった。

これまた前出の「顔が〜」の子は、
自分の横で大絶賛されるヴァイオリニストに目が点。
「この人は何者?」みたいな顔で見ているのが笑えた。



田舎の小さなコンクールだけど。
その後は結構活躍している人が多いみたい。


そんなコンクールのお仕事でした。

おしまい。