必死

最近は鍋洗いのバイトに入る日が少なくなった。
それこそ最初は毎日のようにバイトに入っていたが、
この不景気もあり今では週に3日ぐらいだ。
尤もいつまでも鍋洗いをしていてもしょうがない。
さてバイトの実態だが。
兎に角、洗い物に追われる。
特に午前中は時間との勝負だ。
時間内に洗いきらないといけない。
厨房に入って働いているパティシエやパティシェールたちも
時間に追われている。
時間内にケーキを作らないといけないからだ。
残業は許されない。
毎日、毎日、決められたケーキを決められた数を作らなければならない。
そんな彼等、彼女等の出したキッチン道具を後から後から洗って行くのが鍋洗いだ。
が、こっちも時間内に洗わなければいけないから必死。


先日、とある中華料理屋さんに入った。
清楚な雰囲気の店構えは女性客を意識した作りになっている。
女性店員がメニューを聞きに来た。
私達が注文をした後、それまで店内はガラガラだったのに、
5つあるテーブルはあっという間に埋まってしまった。
若い女性店員一人がお客の対応に回っていた。
私達のテーブルにランチを運んだ後、
他のテーブルに行って注文を取りに行き、
また他のテーブルにランチを運ぶ。
テキパキとまでは行かなかったが、
必死にこなしている感じだった。
私がサラダをパクついているときに、
「お水はいかが?」と聞いてくるし。
ご飯を口に運んだときに「ラーメンです」と
テーブルに置かれた。
〜ん?タイミングが悪い子だなあ〜
なんて思っていた。
この彼女が隣のテーブルに、
麻婆豆腐ランチを運んできたときだ。
何を思ったが大きな声で「杏仁豆腐ランチです」と
云った時には耳を疑った(苦笑)
尤もすぐに「すいません麻婆豆腐です」と訂正していた。


必死だったのか?
それとも天然なのか?

ただウエイトレスが向いてなさそうなのだけは分かった。