今年も半分が

昨日の皿洗いのバイトはクタクタになった。
日曜日だから忙しいに決まっている。
が、何度も書くが5時間洗いっぱなしは草臥れる。
ただ無心に荒い続けるだけである。
労働条件としては非常に悪いところで仕事をしている。
クーラーもなく厨房の奥で、お湯を使い洗っている。
額からは大量の汗が滲み出る。
やがて汗は顔をビッショリと濡らし、
首筋から胸や背中に流れる。
シャツもビショ濡れになる。
「フー」と息を吐くと、大量にかいた汗のせいか喉が渇く。
100円玉を握りしめ食堂の自販機に向かい、
冷たくて甘いジュースを飲み干し一休みをする。
他のバイトさんはどうだろうと思い、観察に行くと
みんな無心で働いている。
厨房にいるパティシエも黙々とケーキを作り続けている。
ジョークも聞こえてこなければ笑顔もない。
厨房とはそんなところか。
社員さんもバイトさんも黙々と洗い続ける。
先月、深夜番組でドクちゃんのドキュメンタリー番組を見た。
分離出術をうけた二人だが兄のベトちゃんは亡くなられたみたいだ。
ドクちゃんは結婚して子どもも産まれ幸せに暮らしている。
この二人には実は両親とお姉さんがご健在だ。
しかし二人が生まれたことで一家はバラバラになってしまった。お母さんと一番上のお姉さんは、ドクが働く病院で働いていたが、孤立感を深め、自身がいたたまれなくなり病院を辞めてしまった。
ドクは自分を捨てた母親とは距離を置き、母もドクに近づくことさえ出来ず、遠くから見守るだけだった。
父は別の女性と再婚しており、母と娘は頼るところもなく、転々と住居を変え暮らしていく。やがて母と娘は場末の大衆食堂で皿洗いの仕事につく。二人でしゃがみ込み、オケの中で黙々と皿を洗う姿はもの悲しさを通り越して胸が痛くなる。
一方でドクちゃんは自分には本当の家族がないと嘆く。
本当は「おかあさん」と呼びたいのに呼べない苦しさ。
産まれた直後に親元から離され、分離手術を受ける際に、親の同意が必要と病院が探し出した本当に親に戸惑うのは当然だろう。
ドキュメンタリー番組はこの親子の現実を淡々と伝えていた。
 「人は生まれ落ちた地域によって人生も変わる。」
必死に生きるのみ。
今の自分に余裕はない。
いや誰にもないかも知れない。


手と手、力を合わせて励まし合い生きていこうね。