いつかどこかで。

mabikitei2008-05-14

偶然、地下鉄の中で甥っ子のチイと会った。
彼は学校の帰り、僕はレッスン講師の帰り。




 栄から飛び乗った地下鉄の中。
ふと見るとどこかで見た顔が飛び込んできた。
「まさか?」
甥っ子のチッさまだった。
彼も小生の顔を見て「なんでいるの?」と驚いていた。
「これから帰るのか?」と小生が聞く。
電車通学の甥っ子が向かうのは千種駅
しかし、チッさまの表情は微妙に揺れていた。
何故か?
見れば友達と一緒だったのだ。
小さな思春期に入ったのだろうか?
照れと困惑の表情が見て取れた。
〜どうりで余所余所しいはずだ〜
チッさまの友達がチッさまに聞く
「だれ?」
小声で小生が誰かを伝えたみたいだ。
友達はフンフンと頷いてみせた。
それからの5分のチッさまは不思議な感覚を覚えたであろう。
「早く千種に着いてくれないか!」という雰囲気がありありと
彼の小さな体から出ていた。
僕はその空気を感じてソバに行かないようにした。
このことを帰って妻に話したら
「叔父としてはちょっと寂しいね」と言われた。



それにしても小生から見れば不思議な光景だ。
正月とか盆とかにしか会わないから普段の姿を知らない。
生まれた時から知っている甥っ子だ。
大きくなり小学3年生にもなると友達もいる。
その友達としゃべる姿を見ていると
自分が知らない甥っ子の姿を見て
「成長していくんだ」と変に感じる。



ようやくチッさまの降りる駅に着いた。
小生が「じゃあな」と手を上げると
チッさまも「じゃあ」と手を上げ、そそくさと車両を降りた。
その隙にチッさまの友達が「どうも」とペコリと小生に
頭を下げてきた。
この男の子に感心し小生も頭を下げた。
もう一度「じゃあな」と言うとチッさまは人混みに消えた。



そして地下鉄は次の駅へと動き出す。
また新しいドラマを作るために。