悲しくて。

地下鉄の改札口を出ようとポケットに手を突っ込んだ。
切符を取り出そうとしたのだが、手に切符の感触がない。
ギョッとして慌てて他のポケットに手を突っ込んでみた。
が、どのポケットからも切符は出て来なかった。
しかも、切符と言っても、今回は一日乗車券である。

 
 今日は事務所と稽古場を行ったり来たりするので、一日乗車券を買ったのだ。
それをものの見事に無くしてしまった。

 確かに地下鉄に乗る時、その一日乗車券で改札口を通ったのだ。
しかし、どう思い出しても一日乗車券を改札口の機会に入れた記憶は
あるのだが、取り出した記憶が無い。
でも取り忘れた時には、音が鳴るはずだから気がつくはず。
という事はその後で落とした事になる。

 はて〜何故、記憶にないんだろ、、、と思い返してみたら、
ちょうど改札口を通る時に僕は他の事を考えていた事を「思い出した」。


 こういう初歩的な行動をする時にはなるべく他ごとを考えないように
注意はしているつもりだ(笑)。

 でないとB型だからであろうか、ペガサス(動物占い)だからだろうか?
それとも単なる性格なのだろうか?
・・・・記憶がなくなる(馬鹿笑)。

 例えば、鍵をかけたかどうかを忘れてしまう。
 妻といる時は、よく妻に自分が鍵をかけたかを聞く。
 そうでない時は、わざわざ戻ってあらためて確認をする。
 こんな時は、こんな自分にうんざりする。
 何回も行ったり来たりしているだけで疲れてしまう。


 さて、改札口で途方にくれた僕は駅員に事情を話した。
すると「今回は通しますが次回は料金がいります」と言われた。
僕は正直唖然としてしまった。
 お客が切符を紛失してしまった。と言っているのに、
切符の事を聞くのではなく、電車料金をまず話してくるとは
いったい、どういう教育をされているのだろうか。
 ウソでもいいから「どこで落とされました?」とか聞いてもらいたいもんだ。
 最近は改札口を通る時に「ありがとうございました」と声をかけられる
事が多くなった。以前よりは対応がマシになったのだが、、、
こんな地下鉄に乗らなければ行けない自分が悔しい(笑)。
まぁ〜切符を無くす僕が悪いんだけどね。



 それにしても一日乗車券を落とした悲しさに、
ガックリとした午後であった。