哭く。

クリスマスイブの夜の出来事。
僕は稽古に向かうため栄の地下街を歩いていました。
暫く歩くと向こう先の通路の真ん中で床に踞っている人が見えます。
そしてその人を助ける事なく、人々は避けて通っていました。
だんだん近づくにつれその人が女性だとわかりました。
なぜ人々は彼女を無視するのか?
もっと近くにきて、ようやく人々が無関心に通りすぎて行く
理由がわかりました。
なぜなら、その踞っている女性が泣き乍ら
そばに立っていた男性に向かい「イヤッ、イヤーッ!」と叫んでいたからです。
女性は土下座をして男性に何かを懇願しているみたいでした。
二人とも二十歳前後の感じがします。
男性は困った表情をしていましたが、どうにもする事が出来ず、
そこで立ち尽くすしかない、、、といった感じでした。
そんな男性に関係なく、女性はワンワンと泣き叫んでいます。



 別れ話でしょうか?


それにしてもいい根性です。
この世には二人しか存在しないぐらいの勢いです。
とっても迷惑な二人を見つけたイブの夜でした。