折込。

折込。
芝居などを観に行くと必ずチラシがパンフレットに挟んである。
これは主催者が挟み込んでくれるのではなく、自らがチラシを持って挟み込みに行くのである。
挟み込むシステムは2種類あり、一斉折込と各自折込。
一斉は、折込をさせてもらいたい団体が、決められた時間に集まって来て、
みんなで折り込むのである。
各自は決められた時間内にパンフレットに折り込んでいく。
どちらにしても孤独な作業だ。


 先日、僕はある劇団の折込に行って来た。
僕はもうこの折込を二十歳頃からやっている。
その当時から折込をやっている者は少ない、、、と言うより、いない。
最近は全然知らない人達が来ている。なんか世代が変わって来ている。
この折込というものは、だいたい同じ顔ぶれになるので、意外と他の劇団との交流の場になっている。
「これが終わったら稽古に行かなければいけないんです」「あ〜本当、大変だね」とか
「今度の芝居を観に来てください!」「じゃあうちのも観に来て」とか
「稽古場が取れなくてさ〜」「わかる、わかるぅ」とか
様々である。でも何となく話す内容が暗いので参加しないようにしている。

 ズラーと並んだチラシを見て思うことがある。最近のチラシはデザインが何か変。
それも品があったりとか、オシャレならまだマシなのだが「ん〜これは何を伝えたいんだ?」
なんて考えちゃうのも中にはある。“ジ〜”とチラシを見つめて「あっここに劇団名が書いてある。
と、するとこれがタイトルか」なんてのもある。
そして時には劇団名が読めなかったりする「これなんて読むんだろう?」
大概そんな時は横文字だ。
僕は以前、名プロデューサーの元で仕事をしたことがある。
いま思えば随分厳しい人だった。この人がよく言っていた言葉に
「チラシで伝えたい事は何だ? 誰が、どこで、何を、やるかがまず一目でわからなければダメだ!」
そして「もっと勉強しろ!」とも言われた。

僕がこの名プロデューサーから言われたキツイ言葉に
「君は肝心な時に役にたたんなぁ〜」と言われた事が何回かある。
でも未だにそうであると自分に思う。
面目ない。
(^^ゞ