愛の値段。

稽古が終わって家に帰ると奥さんはワインを飲んで酔っぱらっていた。
たいがい翌日の仕事が休みの時には飲んでいる。
それは僕がいようといまいと関係なくワインを飲んでいる。
稽古が終わって今から帰るコールを入れると酔っぱらって電話に出る。
だから酔ってるときは「あ〜明日は仕事が休みなんだ」とすぐにわかる。
そして家に帰ると食事を超ホロ酔いで作ってくれる。
まあ〜作ってくれるだけでも助かるかぁ〜なんて毎度毎度思う。


 さて〜もう寝よう〜と思ってベットに行くと奥さんが
「ねえねえ一生愛してやるから一億円ちょー」と手を差し出してきた。
「ねえよ」と返すと「仕方がないなあ〜じゃあ1万3千円にまけといたるわ!(爆笑)」
「えらい安くなったなあ!」
「うん安いなあ(一人で大爆笑)」

それでしばらくすると“グゥーグゥー”と聞こえてくる。
(オヤジか!)
しかもこういう時に限って寝相が悪く、僕の方にまで食い込んで寝てくる。
こんな奥さんを冷たい態度であしらってやった〜笑〜。
しかし奥さんは関心なく寝ていた。


すっかり目が覚めてしまった僕は深夜にプロレス番組を見始めた。
懐かしい顔ぶれが出ていた。リック・フレアーにブルーノー・サンマルチノやハリー・レイスだ。
今のようなスピードさがないからちょっとかったるいかも。

プロレスを見ながら考え出す。愛の値段って幾らだろう?
そう言えば最近のニュースで「愛人17人に会社のお金を何十億とつぎ込む」事件があった。
愛にお金がつきにくいけど「人」が付くと億というお金が動く。
じゃあ奥さんにも「人」を付けてやればお金がつく。しかし、今の僕では無理だ。
となると他の人に付けてもらわなければいけない。
あれ?そうなると僕らにとって夫婦の意味がないじゃん。
じゃあ〜お金では計ることは事はできないじゃん。

などとプロレスを見ながら考えていたら・・・眠たくなってきた。
時計を見たら夜中の3時。
「もう寝よ」
奥さんを叩き起こして自分の寝るスペースを確保して横になる。

暗闇の中で奥さんを見ながら思う「これって愛?う〜ん少なくとも恋ではないな」
じゃあ恋をするか。それもプラトニックなラブを!
デートして、やがて手をつないで、そしてキスをして・・・ここまで行くとプラトニックか?

な〜んて思っているうちに意識がなくなった。

バカだね〜笑〜。