語り?

昨日は何とソプラノリサイタルにゲスト出演(自分で言うのも恥ずかしいが)をしてきました。
歌い手さんの横で僕は詩を朗読するのです。
歌はフォーレプーランクの歌。
もう〜ここからにして何がなんだかわからない。
原語はフランス語なので当然フランス語で歌うわけです。
とすると聞いているお客さんも大概は何を歌っているのかわからない。
そこで皆さんに歌詞カードをお配りするのですが、、、。
今度は読みはしない(たぶん)。
だから読んでほしい。


詩を10曲読みましたよ・・・僕なりに。
だけどこれがまた難しいんですな、ただ読めばいいとはならないから。
詩の内容と曲の感じを掴んで読んで欲しい〜となるのです。
「もっとこんな感じで」とか「そこは感情を込めて」とか「意味を考えて」とか
「違いが欲しい」もありましたし「この言葉は立てて!」とかね。
そうだ「そこは音を変えてほしい!」なんてダメもありました。
もう〜いろいろと“音楽家たち”からダメが出されるんですね。
まあ〜表現する事、伝えたい事は一緒ですからね。
ただ表現方法というか、手段が違うというだけですから。
「私は役者の事はわからないけど・・・でもこうしてほしいの」なんて言われてね〜。
「ごめんさいね、言いたい放題言ってるけど」・・・本当だよ。


しかし最後に「ねえ〜岡田君、そこはアクセントが違うんじゃない?」
このダメには参った。
しかも稽古場にいた音楽家の人すべてが「変だ」と言い切ってきた。
もの凄く恥ずかしかったし、音楽家から突っ込まれた事にショックを受けたよ。
間違えてはいけないと思い事前にアクセント辞典を調べてあったんだけど・・・ねぇ〜。

そして今度はゲネ。東京から一番偉い先生がお見えになって客席からダメを出します。
どこの世界でも一緒で師匠がいると緊張するんですね。
主役の歌い手も伴奏さんも、もうピリピリしてこっちまで恐くなっちゃつた。。。
そこで「あの方はどういう先生なんですか?」と聞いたら「あなたは知らないの?!」
と言われて「コウコウでコンナことをして大先生なの!」
「え〜っ!」ますます恐さ倍増!

で、その先生からアドバイスを戴きましたその内容が、
「君はフォーレプーランクをどのように読み分けているのか教えてほしい」とのこと。
これは僕も驚きました。今までは1曲に対する細かい指示を受けて考えていましたが、
大きな違いはどうするのかを見落としていました。

フォーレプーランクを読み分ける”

さあ〜本番まで残り1時間。もうステージ裏の廊下で“集中突貫手直し、いつもの一人ブツブツ稽古”
が始まりました。

もうだれも僕のそばに近寄って来ません。
そして・・・とうとう本番が始まります。

上手く読めたかどうかはもうわかりません。。。取り敢えず噛む事はなかったのでよかったです。

コンサートホールはとても残響があります。早く読むと何を言っているのかわからなくなります。
だからゆっくりはっきりとしゃべる事にしたのですが、これがとても疲れる。
読み終わった後はグッタリです。。。
さて僕の評価ですが、一列目の真ん中に座ったおじさんの表情でわかります。
僕が読んでいる間は「ん〜」という表情の顔をしておりましたが。
歌が始まった瞬間「はぁ〜っ」と気持ちよさそうな顔に見事に変わりました。
それの繰り返しでした。
「あ〜俺はいらないのかも知れない」と思いながらも、
精一杯読まさせていただきました。

で、そのおじさん。
打上にも来ていたので関係者だったみたいです。

今回はとても疲れましたが勉強になった舞台でした。

m(_ _)m