敬老

mabikitei2014-09-18

「じゃあ趣味で落語をやってるの?」



先日の敬老の日に。
M県の I郡 T村で落語を演じて来ました(苦笑)
以前から。
いえ昨年から決まっていた仕事です。

僕の適当な(笑)聞き覚えから。
敬老の日に老人ホームでの公演だと思っていました。

ところが行ってみて初めてわかったのは。
その日は老人ホームではなく、小学校の体育館。
村のご老人、約140人が集まる(実際には120程が参加)
午前は式典、人形劇、体操。
午後は落語、クラシック音楽、地元の有志の方の公演。
と一大イベントだったのです。

その地区で毎年行われているイベントでした。
「えらいところに来てしまった」



そこの小学校は、各学年に数名しかいなくて、
まもなく廃校になると聞きました。
が、立派な学校でした。
当然体育館も大きかったです。


さて、パンフレットに落語家とは書かれてなくて、
タレントと記されていました(笑)
名前も知らない売れないタレントが余興で
落語を演じると言うことでしょうか。

それでも落語と聞いているので、地元のお父さんたちは、
何と高座を作ってくれました。
しかも毛氈と座布団まで用意してくれました。


さて、ここまで拵えたのに、
タレントはいつまでたってもジャージー姿のまま。
これまた地元のお父さんから
「いい加減にいつになったら着物に着替えるの!」
と突っ込まれました(笑)
「出て行って着替えます」
「?」
「私は落語家ではないので」
「えっ!」
そして冒頭の台詞を投げつけられました(笑)

なんだこいつは?
という目で見られながらいざ鎌倉です。
出て行ってちょっと自己紹介。
「落語家が来ると思っていたでしょう?残念でした僕は役者です」
皆さんの前で着物はありませんので浴衣に着替えて落語を始めました。


当初は20分と言われた持ち時間。
それが30分になり、40分と時間が増えていきました。
題材は衝立から雀が抜け出るお話。
落ちの「駕籠舁き」を前説でしっかりと植え付けさせての落語。
しっかりと40分しゃべりました。


自分でもビックリする程の汗をかき、
終わった後は足がガクガクになるほど疲れていました。
やはり気持ちが入っていたんでしょうね。
そこはいくら偽落語家でもお客さまの前で恥をかくわけにはいきません。


お礼を言って高座をおりると、おじいちゃんとおばあちゃん、そしてスタッフのお父さんから
次々に「いや〜熱演でしたね」との言葉が。
これは褒め言葉なのか?
ほかにかける言葉が見当たらないのか?
「どうも、ありがとうございます」とお礼を言って体育館を後にしました。

来年、また落語をやるなら。
今度は本物の落語家さんを呼んでやってください(苦笑)