お断り

mabikitei2012-09-07

一月前から稽古は始まっている。
10月にある本番に向けてだ。
作品はテネシーイリアムズ。
硬派と言えば硬派。
難解と言えば難解。
人間社会の底辺に生きる男と女。
抜け出すことの出来ない現実。
夢や希望はありながらでも現実という
時間に逃げてしまう二人。
この作品がチョー難しい。


この手の作風に出るのは初めて。
何せどちらかというとコメディー作品が多い私。


ホンの(?)25分程度の芝居。
が、やはり自分には向いていない(笑)
明らかなミスキャスト(笑)


最初にお話しを戴いた時も乗る気ではなかった。
しかし、演出家から余りにもしつこく、
「一度話を聞いてほしい」と頼まれた。
無下にお断りすることも出来ず、
「ではお話しだけ」と会ったのが最後。
こちらの返事を聞く事もなく、
おじいちゃん演出家に「よろしくお願い」と頼まれた。
もう仕方がない「一度、演出を受けてみるか?」
と感じたので受けることにした。


以前は演出家の言われるままに動いてきた。
が、もうそろそろ役者として小さな抽斗も
出来たので、自分なりの表現を見せるようにしている。
〜自分なりに〜これは本当は当たり前なのだが、
茎が伸びきるまでは、なかなか自分だけで
表現するのは難しいのだ。
太い茎にするには色んな事を吸収しなければいけない。
その上で大きな花が咲く。

ジャンボジェット機を飛ばすのには長い滑走路が必要だ。
小型機を飛ばすのには長い滑走路は必要ない。

ペラペラではない演技。
安っぽくない演技。

目指すのはそこであろう。


さて、もう一つ。
喜劇と悲劇は紙一重である。
一本のロープの上を渡るのだが、
右に落ちれば喜劇。
左に落ちれば悲劇になる。

こんな真面目で硬派な芝居。
私がやれば苦笑、苦笑されるだろう。
だからこそ必見かもしれないが、、、
今のところ、静かに終わらせるつもりでいる。

何故か?
・・・恥ずかしいから。

終わり