コンクール進行役〜長編〜

mabikitei2008-03-22

数年に一度依頼がくる国際コンクールの進行係。
前回は大きな劇場内を走りまくった。
今回は?
流石に走りまくることはなかった。
シーバーなるもの(トランシーバー)を借りてもらったからだ。
僕は舞台の袖からシーバーでロビーの状況や、次の出番の人の
待機などを連絡しあう事ができたからだ。
それでも今回も「これ舞監の仕事か?」ということを
やっぱりさせられた(笑)。
まず、、、影アナである。
場内にアナウンスをいれるのは舞監の僕の仕事。
「本日はコンクールにお越し下さいましてありがとうございました」
とか「非常口」とか「喫煙」のことをマイクを通してしゃべる。
次にコンクールが始まると出場者のナンバープラカードを舞台に出す。
引っ込んだら出場者に「どうぞ」の合図を送る。
出場者の感情はまちまちだ。超緊張してる人は僕を睨み付けてくる。
集中してるときに声をかけられるのが嫌な人も中にはいる。
でも出番前に伝えなければいけないこともある。
次にコンクールはタイムのズレが生じる時がある。
そんな時は、休憩時間を調整して帳尻を合わすことになる。
その段取りをつけなければならない。
また出場者によってはピアノの変更がある。
舞監の僕は素早く場内アナウンスを入れ、舞台上のピアノを入れ替える。
これを約50組み入れ替わり立ち替わりやるのだ。
これだけでもクタクタになるのに2日目は録音までやらされた。
録音をやる人がいないので会館に頼み機材を袖に
準備してもらったのだが、、、。
(ちなみに3次はプロの人が来てくれたのでこの件は解放された)
こうなるともうパニックになる(笑)
まずアナウンスをいれて、出場者の確認をして、プラカードを変えて、
引っ込んで合図を送っての流れの中でスイッチを入れるのを忘れるのだ。
録音スイッチを押し忘れる危ない場面が何回かあった(苦笑)
ところが2次と3次予選は僕が舞監だが、最終決戦はオーケストラ付き。
流石に僕では仕切れないのでその道のプロの舞監が入る。
これで僕はお役ご免かと思っていたらそうではなかった。
決戦もやっぱり影アナを入れてプラカードの入れ替えを
僕がやるらしい。さすがにプロには頼めないみたいだ(笑)。



打ち合わせの時に言ってみた。
「影アナ原稿を何故、僕が読むんですか?」とハッキリと愚痴ってみた。
すると「あなた、袖にいるんだから読めるでしょう?」と主催者の女史が言う。
「ステージマネージャー(舞台監督)なんですけど」と言うと
「あなた役者だから読めるでしょう!」とぶっきらぼうに返される。
本来ならば「なに言うとるねん!」となるのだが、、、
悲しいかな「役者でしょう」の言葉にひっかかり、
「くそ〜」となり影アナ原稿を読み返して練習する自分に自嘲してしまう。
もう早くこんな事から足を洗ってしまいたい!
だから「影アナ、上手いっすね!」と言われてもちっとも嬉しくない。






演劇の神様。
頑張っていますよ。
僕を含めて、うちの劇団員は頑張っていますよ。
だから、、、ご褒美をください。
大きな役、チャンスを与えてください。
僕を含めて、うちの劇団員に役者としての幸せをください!



たった一度の人生だもんね。
そう言えば「ホームレス中学生」を読みました。
ん〜面白い人生を歩いているひとがいる。
僕もまた恩師に会いたくなりました。
かしこ