雪はコンコン。

なになに58年ぶりの大雪?
その日は夜になるにつれて雪がコンコンと降り出した。
夕方から降り出した雪。
「あ〜この雪質だと積もるなぁ〜」と思ったけど予想以上に積もった。
真っ白になった街を見ようと思い、
夜中にベランダに出てみました。
マンションの3階から見下ろす路地裏は雪のせいもありどことなく明るい。
普段なら目にも入らない電線にも雪が降り積もり、
それが白い帯となって電柱の間を走っている。
手すりも植木も雪が積もって白い。
そして空からはドカ雪が静かに舞い降りてくる。
「松本はどうだろうか?もっとすごい雪かも」

 明くる朝、いつの間にか資源ゴミを出す担当に任命されていた僕。
寒い中をゴミ袋を手にぶら下げてマンション前に出しに行く。
すると隣の会社のビルから若いお姉ちゃん達のはしゃぎ声が聞こえてきた。
マンションに隣接するビルの会社は何屋さんか知りません。
でもフィリピンの女性が数名働いているらしく、朝たまにその女性群を見かけます。
見ればそのフィリピン女性たちが男性の社員らしい人と駐車場で雪合戦をしていました。
「そうか〜雪を見るのは初めてかぁ・・・」
なんて思いながらマンションに入ろうとしたら、すれ違ったマンションの住民が、
ステンと転びました。
「大丈夫ですか?」
「いや〜ん。恥ずかしい所を見られちゃった!」
「気をつけてください・・・」
この日、どれだけの人が転んだんだろうか?

 部屋に帰ると松本から電話が入った。
「そっちの雪はどう?凄い?」
「雪?なに?こっちは全然降ってないわよ」
「えっ?」
寒いはずの松本では降っていなくて名古屋で降る。
こういう事もあるんだね。